こんにちは!UiPath メンターです。
「顧客リストの100人をシステムに登録しなきゃ……」
「毎月の経費データを、Webの申請画面に入力しなきゃ……」
この作業、人間がやると眠くなるし、ミスも出ますよね。
今回は、この**「データ入力作業」を完全自動化**するロボットを作ります。
使う技術は、これまで学んだことの総動員です。
「Excel読み込み」×「Web操作」×「繰り返し」
この3つが組み合わさった時、RPAは最強の威力を発揮します。
1. 今回の作戦(設計図)
まずは処理の流れを整理しましょう。
前回との大きな違いは、「Web操作がループの中に入る」という点です。
- 【Excel】 リストを読み込んで、データテーブル(
dt_List)にする。 - 【Web】 入力先のWebページを開く。
- 【ループ】 データテーブルの1行目から順に……
- 名前を入力する
- メールアドレスを入力する
- 「登録」ボタンを押す
準備として、適当なExcelファイル(A列:氏名、B列:メール)と、入力練習用のフォーム(Googleフォームや社内テスト環境など)を用意してスタートしましょう。
2. Step 1:Excelデータを確保する
これは前回やりましたね。サクッといきましょう。
- [Excel プロセス スコープ] と [Excel ファイルを使用] を配置。
- その中で [範囲を読み込み] を実行。
- 出力結果を新しい変数
dt_InputDataに保存する。
重要:変数のスコープ(有効範囲)を「Main Sequence」などの一番外側に広げておくのを忘れずに!
3. Step 2:ブラウザの配置(ここが最大のコツ!)
次にWeb画面を開きますが、ここで初心者が一番よくやる間違いがあります。
「繰り返し」の中に「アプリケーション/ブラウザを使用」を入れてしまう。
これをしてしまうと、「1件入力するたびにブラウザを閉じて、また開いて……」と繰り返してしまい、恐ろしく時間がかかります。
ブラウザは一度開いたら、最後まで使い回すのが鉄則です。
「繰り返し」の外(直前)に「アプリケーション/ブラウザを使用」を置く。
手順
- [Excel プロセス スコープ] の下に、[アプリケーション/ブラウザを使用] を配置します。
- 入力先のWebページを指定します。
4. Step 3:ループ入力の実装
ブラウザの枠(Use Application/Browser)の中に、繰り返し処理を作っていきます。
① ループ枠の作成
[繰り返し (データ テーブルの各行)] を配置します。
対象のデータテーブルには、先ほど作った dt_InputData を指定します。
② 入力アクションの配置
ここからは「1件分の処理」を作ります。
ループの中に [文字を入力 (Type Into)] を配置し、ターゲット(入力欄)とアンカー(項目名)を指定します。
③ データの流し込み
[文字を入力] の「入力する文字」欄に、Excelのデータを渡します。
CurrentRow("氏名").ToString
同様に、メールアドレス欄なども設定していきましょう。
④ 登録ボタンのクリック
最後に [クリック (Click)] を配置して、「登録」や「送信」ボタンを指定します。
5. 仕上げ:次のデータへの準備
登録ボタンを押した後、画面はどうなりますか?
- パターンA:自動的に入力画面に戻る(リセットされる)。
- パターンB:「登録しました」という完了画面に切り替わる。
パターンBの場合、そのままでは次のデータを入力できません。
クリックの下に、「戻るボタンを押す」などの処理を追加して、「ループの最後には必ず最初の画面に戻っている状態」にする必要があります。
6. いざ、実行!
心の準備はいいですか? [ファイルをデバッグ] を押しましょう。
ロボットがブラウザを立ち上げ、Excelの行数分だけ目にも留まらぬ速さで入力を繰り返していくはずです。
100件のデータも、お茶を飲んでいる間に終わります。
これが、あなたが手に入れた「業務自動化」の力です!
今回のまとめ
- 大量データの登録は [Excel読み込み] → [ブラウザ起動] → [ループ] の順で作る。
- ブラウザの起動は必ずループの外側で行う(速度と安定性のため)。
- ループの終わりには、次のデータが入力できる状態(初期画面)に戻してあげる工夫が必要。
⚠️ つまづきポイント:入力が早すぎてエラーになる?
Webサイトによっては、登録ボタンを押した後、画面が切り替わる前にロボットが次の入力を始めようとしてエラーになることがあります。
そんな時は、ボタンを押した直後に [アプリのステートを確認 (Check App State)] などを入れて、「完了画面が出るまで待つ」という賢い待機処理を入れると安定します。
お疲れ様でした!
これで「UiPathモダンデザイン習得カリキュラム」の本編(全12回)は完了です。
あなたはもう、
✅ 画面操作(Web/Excel)
✅ データの記憶(変数)
✅ 繰り返しと判断(ロジック)
これらを自由に操れる「RPAデベロッパー」の入り口に立ちました。
しかし、実際の開発では「なぜか動かない!」「謎のエラーが出る」という壁に必ずぶつかります。
そこで次回からは、特別編として「脱・初心者!よくある『つまづき』解消クリニック」をお届けします。
エラーが出た時の「辞書」として使ってくださいね!